生活していても、水蒸気の発生には無頓着という人が多いようです。専門家ですら結露について正確な知識を持ち合わせていなかったりしますから、それも無理はないかもしれませんが、結露の問題を無視しているかぎり、いまの日本の住宅がかかえる根本的な欠陥は改善されません。そこで、結露について、ここでは考えてみたいと思います。まず、結露はなぜ起こるか、です。空気は水蒸気を含んでいますが、空気が持つことのできる水蒸気の量は、空気の温度によって変化します。たとえば、二〇℃のとき、空気一平方メートルに含まれる水蒸気は一七・八グラムですが、0℃になると四・五グラムになります。水蒸気を水に、水蒸気を含んでいる空気をバケツにたとえてみると、気温が高くなると空気のバケツは膨張して大きくなり、気温が下がるとバケツは小さくなります。ですから、中にはいっている水の量は変わらなくても、気温が下がると、バケツがどんどん小さくなるため、やがては中にはいっている水がこぼれてしまうのです。このバケツが小さくなって水がこぼれるような状態を「飽和状態」といい、このときの湿度は一〇〇パーセントです。これ以上空気が冷やされると、当然、バケツが小さくなった分、外に水がこぼれ出てしまうことになります。これが結露です。この結露を起こす温度を「露点」といいます。つまり、結露は空気が冷やされて、それ以上中に水を蓄えられなくなったときに起こるのです。氷水を入れたガラスコップの表面に水滴がつくのも、コップの周囲の空気が冷やされて、水蒸気として持つことができなくなった水分が結露した結果です。要するに、結露は空気が冷やされないかぎり発生しませんし、また空気中に含まれる水(水蒸気)の量が少なければ起こりにくくなります。
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